荒船博之助教が日本化学会第95回春季年会の優秀講演賞を受賞いたしました!
この賞は、平成27年3月26日-29日に行われた日本化学会第95回春季年会において優秀な発表を行った若手研究者に贈られるもので、荒船助教は「イオン液体型ダブルネットワークゲルの摩擦特性評価」について研究発表を行いました。
ゲルは3次元網目状にからみあったポリマーが水などの溶媒を大量に含んだ構造体で、身の回りでもコンタクトレンズやおむつ、化粧品など様々な機能性ゲルが使われています。その中でも低摩擦ゲルは、製品の長寿命化・高効率化を可能にしますが、一般的に強度が低く、高温や長時間使うことで中の溶媒が蒸発してしまうことが問題です。
本研究では、剛直な1stゲルと柔軟な2ndゲルを組み合わせたダブルネットワークゲル(DNゲル)をベースに、真空下でも蒸発しないイオン液体を溶媒としてしみこませることで、高強度かつ長時間や高温下でも蒸発せず低摩擦状態を保つDNイオンゲルを開発しました。今後、軸受やシール剤などへの応用が期待されます。
なお、本研究は文部科学省の大学発GRENE事業先進環境材料分野「グリーントライボ・イノベーション・ネットワーク」の支援を受けて行われたものです。